金田治のスケッチ日記

裸婦クロッキーを中心に、絵を描いていて気になったこと、絵を取り巻く様々な事柄など、思考の簡単なスケッチをしりとり風に繋いで書いています。


絵画を鑑賞する楽しさは様々ありますが、スケッチは作者と極めて近いので、絵画の生成に関わる重要箇所を見せている点で特別です。スケッチから得られるのは作者の美の気付きです。ある細部に美が宿しているのを見つけた喜びが伝わってきます。ミケランジェロが筋肉の描写から突然ねじれが生じた時、腕のひねりや、腰の移動の微妙な変化から物凄い胎動が生じた時の感動を追体験できます。レンブラントが闇を深めてゆき光が輝き出す瞬間の喜び。クリムトの宿命の流れの中に溶け込んでゆく女身のなだらかな曲線。どれをとっても画家の美の本質に触れる気がします。絵画の美は抽象的な色や形に留まるものではないでしょう。大画面の絵画は空間に場所を確保するために、空間から排除されないような配慮がなされます。その配慮の一つが心地よく贅沢なデザインです。デザインは色彩であり、構成であり、構図、マチエールであり、線や色面のバランスです。それらは必要な要素ですが、絵画の感動の中心部分ではありません。そこで、なにが本質であるか窺い知れるのが作者のスケッチです。







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by カネダオサム


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