極限の緻密さを名品として称賛し、工程の大変さを説明し、技術の難しさを語り、ギネスブックのような超絶技巧を好むと言うのはどこの文化にもあるでしょう。ペルシャ絨毯やレース織物、機織りなどでの職人の技。それらの品物の技術は具体的で比較しやすいものです。ところが、琳派の美しさや水墨の幽遠さを説明するのは難しいものです。どう見ても時間をかけて描いたようには見えず、難しい技術が使われたようにも見えないのです。しかも、題材自体が過去の名品を参照したものが多く、一部の切り取りや、変奏であったりします。結局、判断するのは超絶技巧ではなく「味わい」なのです。姿の良さや融通無碍な佇まいなどに人間の成長を感じさせる美しさが込められています。これがいつしか忘れられた日本文化の一面です。



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by カネダオサム


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