あらゆる美術表現を容認する現在の美術観からすれば、古代から順次発展してきたとする教科書的な美術史観は訂正されるべきでしょうし、創作の現場では訂正されて来ているのでしょう。ルネッサンス以来、自然科学の発展に伴って発展してきた遠近法の客観的な絵画空間がシュールレアリスムやデザインによって解体され、改めて造形の面白さや力強さを見てみると14世紀の遠近法以前の美術状況がむしろ現代の美術観に近いようにも思えます。ニコラ・バタイユが織元となって作られた90枚に及ぶ巨大なタピスリー『アンジェの黙示録』を見れば現代の美術が貧弱に感じられるほどです。



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by カネダオサム


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